おもしろ科学手品講座

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・・・・・ 目で見る酸素 ・・・

    講座指導:諫早市多良見町 子ども科学てじな講師 田浦 和憲


【 材料 】 ガラスコップ ロウソク 浅い皿(カレー皿など) マッチ棒2本  水


【 あそび方 】  
みなさんは「酸素(さんそ)」って知っていますよね。
・・  私たちが呼吸をするうえで、なくてはならない大切な気体です。
 でも空気と同じで色も形もないから、これまでにはっきりと目で見たことはおそらくないでしょう。

 では準備してください。お皿の中央部にロウソクを立てます。立ちにくかったらろうそくのお尻に画びょうを刺すだけでも立ちますよ。
 お皿に水を満たし(少なくともロウソクが1cmかくれるくらいの量)ロウソクに火を付けたあと、コップをかぶせます。コップの底には、マッチ棒を2本挟んでおいて下さい。

 火が消えると同時にお皿の水がググッと吸い上げられる姿は、なかなかの見ものです。


【 原理 】
・・  もちろん水が吸い上げられる原因は、ロウソクが燃えるときにコップの中の酸素を消費(しょうひ)するからなのですが、ひとつ気付いて欲しい着眼点は、お皿の大きさやロウソクの長さに関係なく、吸い上げられる水の量は何回やっても同じ だということです。

 私たちが吸っている空気の中の酸素の割合は 19 %です。どうですか、そのことが、コップ内に上がった水の量(ほぼコップの五分の1)ではっきりと目に見えているでしょうか。これが 大気中の酸素の量 を示しているのです。


 学校でこの実験をやったことのある人は、この説明で納得し、それで終わりにしたはずです。
 でもね、もう一度やりますよ。よーく見て何か気付いたことはありませんか。

 もし「あれ、水はロウソクが消えてからしか上がらないね。」と思った人は、とても観察力の優れた人です。
 だって、酸素を消費するから水が上がるのなら、
ロウソクが燃えている間にも水はどんどん上昇していくはず なのです。

 しかし観察力の鋭い人は、火が消えて ほんの一瞬のあとに 水がスーッと上がることに気付いてくれます。
 すなわち物が燃焼(ねんしょう)するというときには、まず酸素でロウの成分が二酸化炭素(にさんかたんそ)に変わり、その二酸化炭素がコップにたまってロウソクの火を消します。

 そのあと、できた 二酸化炭素が水に溶(と)け込む ことで、コップの中の体積が減少し、ここではじめて水は外の大気圧によって押し込まれて、コップの中に侵入するのです。
 こうしたことは一瞬の間に起こる現象なのですが、「水が上がる原因はなんだろう。」と考えていた人には、実は順番が気になるはずです。

 そのほか、コップをかぶせた直後にはコップ内の空気の膨張(ぼうちょう)のため 一瞬水面が下がる ところや、実験のあと冷えれば冷えるほど、コップの壁で水蒸気が水滴に変わる ことなど、単純な実験の中にもたくさんの見どころが隠されていることに、気付いてくれませんかね。


【 発展 】
・・  今、地球温暖化で話題になっている 二酸化炭素 は、非常に水に溶けやすく、温度が低いほど良く溶けます。冷たい水に大量に二酸化炭素を溶け込ませた物が炭酸水(サイダー)なのです。
 人間が石炭や石油を燃やし続けると、空気中の二酸化炭素が増え、気温が上昇するのではないかと心配されていますよね。
 
 実は地球の海には大気中の何倍もの二酸化炭素が溶け込んでいます。海が暖まればそれだけ、海中の二酸化炭素は溶けきれずに大気中に大量に放出され、地球温暖化はさらに加速度的に進むでしょう。
 これを「
温室効果の暴走」と言って、こうなるともう誰にも止められません。地球は一気に金星のような灼熱(しゃくねつ)の惑星となり、全ての生物は死滅(しめつ)すると言われています。
・・

 注意 】
・・ ロウソクやマッチを扱(あつか)う実験なので、必ず大人の人と一緒におこなって下さい。

 

もっとくわしく知りたかったら 「長崎市科学館祭典2007」 
または 「子供に受ける科学手品77」 第80ページ 後藤道夫 著 講談社ブルーバックス \820

 

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